チョコレートと人間の進化

チョコレートと人間の進化
人間は進化する生き物と考えられ、
私たちもその実践を求められていま
す。
過去から現在、現在から未来へと人
の営みは続き、前に向かって進ん
でいると教えられています。
多くの人がそう信じる進化に疑問を
感じる人もいます。
人間は不連続に、個々に生きており、
そこに一貫性などないと主張します。
私たちが突き当たり、解決する問題
は確かに一人一人が個々にしたこ
との結果です。
そのもっとも目覚ましいものだけを
繋げて、連続性を主張する歴史感
には確かに疑問を感じざるをえませ
ん。
人間が集団となる組織ではいつもこ
うしたご都合主義がみられます。
さてチョコレートの話です。
今まで扱ってきた第三世界ショップ
のものを今年から大幅に入れ替える
ことにしました。
ひとつには他からより品質の良い物
が手に入るようになったためです。
より美味しく、より生産者によりそっ
てその生活の糧となり、価格も少し
下げられます。
これは進歩であり、進化といえるか
もしれません。
第三世界ショップも今までと同じで
なく、より良い物を作るための努力を
する契機となるかもしれません。
ただそこには流通を支える商社や
国際資本の存在もあります。
これは私たち消費者にはなかなか
見えてきません。
安くて、手軽で、便利がいいのなら、
世界中がAMAZONとなるでしょう。
作り、企画する人たちは、ただ良い
物を作り、自分たちだけでなく、周囲
もいっしょに、より楽しく幸せになりた
いと思っているでしょう。
そうした心意気は生産物であるチョ
コレートから十分にかんじとれます。
けれど自分の選択が的確かをいつ
も問わざるをえません。
有機原料の生産者が熱烈な排他主
義者ということもあるかもしれません。
カカオを作る農民を支えるつもりで
実は地元の有力者の私腹を肥やし、
貧富の差を拡大させているかもしれ
ません。
有機の原料を扱うために商社と妥協
せざるをえないこともあるでしょう。
チョコレートの中にはこうした世の苦
さも含まれています。
それでも生きて、毎日歩み続ける私
たち。
美味しさを味わう時の内なる充実感
が頼りです。
深い満足を与えてくれるものは良き
ものです。
人の進化、世の進歩とは無縁なこの
感覚が道を開きます。
知的な好奇心はうつろいますが、自
分の内なる感覚は変わりません。
たかがチョコレートではありますが、
世界や自分を移す鏡となる力を秘め
ています。

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