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- 俳句 令和4年の12月5日~12月11日
不来方城(こずかた)の夏
不来方は生まれ故郷の盛岡の古名です。
小学校3年まで過ごした小学校は、
川を挟んだ向かいに不来方城があり
一人で遊ぶのが好きだった私のあそび場でした。
姫神山(ひめかみ)の長き稜線水遊
石垣の反りの弓なり夏の蝶
短夜の磐に割入るけやきの根
風鈴のあられ模様や昼花火
青葉木菟(あおばずく)言葉はひかり文字は影
蠅取り紙給食のパン食べ残し
守宮鳴く渡り廊下に遅刻して
水涸れて熊のさまよふ檻の土
熊の目に眼そむけたり百合の花
川堀の土嚢(どのう)のプール薄き胸
遠夕立疾き中洲に残されて
吾を視る宇宙(そら)にある吾青りんご
日車や岩零しをる岩手山
夏帽子近くて遠き逸れ雲
空蝉や眼(まなこ)に映る深宇宙
大竹の七夕飾りのセルロイド
飛石の音なく古び蓮の池
昼寝覚(ひるねがく)龍ひそみたる離れ雲
不来方城の石垣に待つ瑠璃蜥蜴