今週の野菜 令和7年11月17日~11月23日 

小豆と熊と自然
近年晴屋の小豆は、宮城県加美郡
の戸叶さんのものでした。
自家採種による無肥料自然栽培で、
地の品種を自然環境が豊かな土地
の恵みを凝縮した野性的でしかも
やさしく包容力のある味です。
去年のものはもう売り切れとなり、今年
の収穫を待っていましたがそろそろか
と思い今年の様子を聞いてみました。
すると今年は天候のせいで不作の上、
熊が出て怖くて畑に行けないので収
獲はできないと言われてしまいました。
先日ニュースで話題になった、ドアを
開けたら目前に熊がいたという家の
隣が戸叶さんの家だそうです。
それでは確かに収穫は無理そうです。
残念ながら今年は他の生産者に頼る
しかありません。
値段は上がりますが北海道産の同じ
レベルの小豆を手配しようと思います。
今までが200g548円でしたが、今度
は886円と大幅な値上となってしまい
ます。
それにしても日本に限らず世界中で
の熊の被害の報道に驚かされます。
一般的には山に食べ物がなくなり仕
方なく熊が降りてくると思われていま
す。
もちろんそうした気候変動の影響は
あるでしょう。
熊は日常的には草食です。
そのため餌場を確保するために縄張
りを作ります。
その縄張り争いで負けた弱い熊が人
間界に降りてきます。
弱くて不安定な熊は見境なく人を襲
います。
古来から熊の天敵は肉食の狼でした。
しかし狼が駆逐され、人間の世界でも
狩りは敬遠される今、熊の個体数は
増加してしまいました。
飽和状態の熊は食べ物を求めてこち
らにやってきます。
これは個人のレベル、町や村などの
行政単位のレベルで解決できる問題
ではありません。
今は熊による人的被害が話題になっ
ているため、熊が注目されていますが
農作物の被害ということで言えば、猪、
鹿、猿などの方がずっと多いでしょう。
農家のおばあちゃんたちが「ケモノ」
と言い捨てる獣たち。
畑で可愛い野ねずみを見つけると彼
女たちは躊躇なく持っている鎌でザク
ッと切り裂き、また何事もなかったよう
に淡々と畑を耕します。
生存のためには互いに遠慮はありま
せん。
他の獣も熊と同じ理由で増えていて、
里に降りて生き延びようとします。
こちらも個人や行政のレベルで解決で
きるものではありません。
互いにせめぎあい、闘いながら全体と
しては調和しているのが「自然」です。
決して平等でも民主的でもありません。
人間に生まれた以上、人間として生き
る権利があり、生を全うできると私たち
は信じています。
権利は保証され、自然を犠牲にして
も仕方のないこととして文明は進んで
きました。
こうなると人間が淘汰され、狼かそれ
に代わる生き物が現れるのが一番の
近道かもしれません。
しかし家畜も人も襲う狼は駆逐されて
しまいました。
後戻りの道はありません。
動物にも人道主義を拡大しようとして
いる風潮の中で、私たちに残された
選択の余地はあるのでしょうか。
都会で、何でも手に入れることができ
る暮らしをしている私たち。
けれどそのために自然にかけている
負荷を考えると、深い絶望と吐息しか
ありません。
全地球、人間全体のことに責任を持
つ力は私たちにはありません。
無力を自覚しつつ自分の周囲の小さ
な関係をよりよくする努力だけが残さ
れた道です。
その小さな努力が、少しでも人間の
社会がよりよくなる一助になればと願
うだけです。
それをあまりに小さく無意味と思うか、
手ごたえを持てる生きる意義と感じら
れ、まだできることがあるのを幸せな
ことと感じるかは個人の問題です。
私たちがどういう文化にかかわり、どう
いう生活を形作るかは私たち自身の
選択です。
晴屋が少しでもそうした選択の手助け
をできるような力を維持したいものだと
願っています。

生姜の不作と生姜紅茶
生姜はとても栽培が難しい作物です。
辛みがあるので虫の食害はありません
が、アクが強く、畑の土が独特の状態
になるため、本来は連作ができません。
それを通常の栽培では殺菌剤で消毒
し、(毒を撒くことを消毒という不思議?)
病気を抑えて無理に生育させます。
また育っても生命力が弱いため薬漬け
にして腐るのを防ぎます。
香りもか細く、筋張ってとても美味しい
とは思えない生姜です。
晴屋に来ているのは連作するとしても
堆肥をたっぷりと入れ土の栄養のバラ
ンスを保ち、作物は健全に育ってい
ます。
そのためにふっくらと柔らかく、香り高
い生姜が楽しめるのです。
しかし近年の旱魃と高温の影響は大き
く、不作が続いています。
晴屋でも入荷不足が続いています。
その余波は紅茶にも及び、晴屋でも
ベストセラーのひとつ「生姜紅茶」の
出荷が止まっています。
メーカーのひしわに問い合わせると、
紅茶の原料有機のアッサムはあるの
だけれど国産の有機生姜が入らない
ということでした。
別のところからの説明では来年の2月
くらいが再開の目途ということでしたが
その時期に生姜が生育するとは考え
られません。
もしかしたら有機の生姜を輸入しての
再開かもしれません。
いずれにしろ色々な問屋に声をかけ
てできるだけ集めたものが先週で完売
となってしまい、しばらくは手に入れる
ことができません。
同じメーカーの「ダージリンブレンド」の
ティーバックはおすすめできる商品で
すが、何故か「ダージリン」だけの製品
はイマイチです。
ひしわは不思議なメーカーです。

☆ きぼうバナナ 545 エクアドル 有機
みかん 60/g 三角・水の子 菌2虫1
りんご秋映 長野・村松 菌2虫2
柿 2~3個 398 奈良山園 無散布
ピーマン 248 千葉産直 菌2虫1
胡瓜 198 群馬野菜クラブ 菌2虫2
キャベツ 348 群馬野菜クラブ 菌2虫1
レタス 348 群馬野菜クラブ 菌2虫2
ブロッコリー 378 群馬野菜クラブ 菌2虫1
小松菜 298 群馬野菜クラブ 菌1虫0
にら 198 千葉・和郷園 無散布
ぶなしめじ 248 長岡・にしの 無散布
えのき 248 長岡・にしの 無散布
足付なめこ 278 群馬・横堀 無散布
エリンギ 248 長岡・にしの 無散布
☆ 椎茸 298 東久留米・高橋 無散布
きくらげ 165 東久留米・高橋 無散布
生姜 375 徳島・ヤマサ 無散布
長葱 438 川越・森下 菌1虫1
牛蒡 348 みちのく有機 無散布
大和芋 338 埼玉・町田 無散布
人参 60/g 熊本・水の子 無散布
じゃが芋 60/g 茨城・飯塚 無散布
玉葱 70/g 北海道剣淵 無散布
☆ さつま芋シルクスイート 80/g 佐原農産センター 無散布
☆ 南瓜 70/g 北海道・関 無散布
☆ 蓮根 150/g 茨城・小塙 無散布

来週のセールと野菜
小松菜、ほうれん草などの葉物の生育
状態がよくなり、品質が向上し日持ち
もするようになってきました
夏の干ばつの影響で種まきができず
不足が続続いている大根です
いつも美味しい四季のたくあんも仕込
みが出来ず欠品が続いています
晴屋には北軽井沢の清水さんから
直送で送られてきて、みずすみずし
く美味しい大根を楽しめていますが
いよいよ北軽も冬の到来で出荷が
終わりという連絡がきました
今週末が最終の出荷ということで、少
しまとめて送ってもらい2週間ほどは
持ちそうですがその後の手当はでき
ていません
今のうちにお楽しみください
好評のりんごの秋映も今週で終了の
予定で、フジにつながるか微妙です
来週のセールはゲルクリーム、八芳
酢、むし大豆、サラダ豆、ひよこ豆、
バタービスケットです
晴屋年末カタログは制作中で野菜の
情報がそろう来週中の配布の予定
です
野菜の生育、特に根菜類の手配が
難しく、厳しい年末になりそうです

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