カテゴリー:俳句
-
隧道の岩の引力銀やんま
天の川脱皮に残る蝶の尿
蟋蟀に遺恨持たれて知らんぷり
晴
「隧道の」の句が俳句四季12月号で、
夏井いつき先生に秀悦に選ばれ…
-
川堀の土嚢のプール薄き胸
遠夕立疾き中洲に残されて
吾を視る宇宙にある吾青りんご
日車や岩零しをる岩手山
晴
…
-
蠅取り紙給食のパン食べ残し
守宮鳴く渡り廊下に遅刻して
水涸れて熊のさまよふ檻の土
熊の目に眼そむけたり百合の花
「不来方の夏」より 晴
…
-
不来方の夏 10句中4句
姫神山の長き稜線水遊
石垣の反りの弓なり夏の蝶
短夜の磐に割入るけやきの根
風鈴のあられ模様や昼花火
晴
…
-
花みょうが如雨露に届く長き影
燕の子きちんと閉じる龍角散
黒南風や岩を食みたる苔の嵩
晴
…
-
身の内の彼岸にかかる飛瀑かな
月光の澱沈みをり滝しぶき
短夜や柱のびゆく杉の里
晴
…
-
屋久島その1
夏痩せて胸に滴る水の音
黒南風や岩を食みたる苔の嵩
天空の永き吐息や滝しぐれ
晴
…
-
割切れぬ素数の掟天の川
ビニールハウスの自然不自然吾亦紅
隧道の風の軽さや法師蝉
晴
…
-
夏痩せて身のうちにある水の音
クラプトンの涙の川や涼しかり
おさな児の覗きこみたる蟻の道
晴
…
-
小満や神社の蛇と眼の合ひて
餡蜜や傀儡の開ける赤き口
レシートの分厚い財布半夏生
小満(しょうまん)は秋に蒔まいた麦などの
穂がつく頃で、ほっと一安心(少し満足)
すると言う意味で、初夏の季語。
…
ページ上部へ戻る
Copyright © 晴屋 All rights reserved.