俳句 令和4年の7月25日~7月31日

咲く花の先に咲く花花の中

黙したるメタセコイヤや流氷期

むずむずと空を食ひをり楠若葉

               晴

「咲く花の」の句が俳句四季8月号で
浅井慎平先生に佳作に選ばれました。
ありがとうございました。
俳句では「花」は桜のこと。
咲いた花の先に、また花が咲き、
それが数多の花の最中にある満開の
桜を詠んでみました。
炭太祇の句に
  山吹や葉に花に葉に花に葉に
という素敵な句があり、憧れています。
「黙したる」のメタセコイヤは、もう
絶滅して化石の中にしか見ることがで
きないと言われていた太古の落葉する
巨木になる針葉樹です。
それが数十年前中国の四川の山中で
1本だけ生えているのが見つかりまし
た。
世界に広まりましたが、元はこの1本
の樹から始まりました。
今は公園でも大きくなったメタセコイ
ヤを時折見かけますし、東久留米学園
町にあるしゃちょーの飲み友達で、晴
屋のお客さんでもある吉良さんの家に
も生えています。
吉良さんのお父さんは自由学園の理科
の先生をされていたそうで、いち早く
手に入れた苗を自宅の庭に植えたので
しょうか。
植物は自分だけでなく、次の世代を残
すために生きています。
たった1本だったメタセコイアがこの
繁栄ぶりを知ったらどう感じるでしょ
うか。
流氷期という厳しい寒さの後、春の動
きを感じさせる季語を選んでみました。
「むずむずと」は樟の新芽がむずむず
と動き出し、空を食べて大きくなって
いるように見えたのでそのまま句にし
ました。

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