夏の暑さと首の冷え

夏の暑さと首の冷え
6月だというのに、暑く厳しい天候が
続きます。
水分の補給はもちろん必要ですが、
どうしても冷たいものに頼りがちになり
ます。
ただ身体を冷やしてしまうと、内臓に
負担をかけるだけでなく、血行に問題
が生じ、脳梗塞になることもあります。
この季節最も警戒する必要があるの
が、首の冷えです。
首は頭と身体をつないでいる要所で
す。
口を通じて酸素を肺に供給するときに
通りますし、心臓から栄養源である血
液の通り道でもあります。
脳はとても大切な器官で栄養の半分
以上を脳で消費します。
そのため脳に血液が供給されないと
私たちにとっては致命的な問題です。
左の首から血が脳に上り、右の首から
心臓に帰ります。
首が冷えて硬くなってしまうと血液が
足りなくなったり、また反対に右の首が
硬いと血が下りずに脳梗塞が起きや
すくなります。
また祖先が海から陸に上がるときに
肺の筋肉が足りずに頬の筋肉を流用
しました。
そのため頭から首を通って肺を動かす
神経が通っています。
神経が無意味に迷走しているので、
迷走神経と呼ばれています。
これも首を通っているため気温の変化
や首の硬直に影響されます。
首は決して乱暴にあつかえない大事
な場所です。
そして身体と頭の状況を表現してもい
ます。
頭の緊張、呼吸器の疲れ、目の疲れ、
神経の疲れなどで首はすぐに硬くなり
不調を訴えます。
それはひとつの表現なので、首を懸命
にマッサージしても解消することはで
きません。
むしろギュウギュウと触ることで体調は
ますます乱れます。
首と繋がっている腕や目を緩めること
で解消につなげることができます。
そしてこの時期にとても大切なのが首
を冷えから守ることです。
汗をかいた状態で風に当たれば首は
瞬間的に冷え、硬くなります。
こまめに汗をふくことは大切です。
首にタオルを巻いておくと、汗を吸収
し風も緩和して首と体調のケアにとて
も役立ちます。
一見暑そうに見えますが、汗を適度に
吸収してくれるため暑い日でも心地よ
く過ごせます。
汗は尿とほとんど同じ成分で腎臓を
通さず皮膚から老廃物をだすことで
腎臓の働きを助け、疲労を回復する
働きがあります。
最初はべたべたした脂っぽい汗がで
ますが、体調が整ってくるとさらっとし
た汗にかわり、自然に蒸散していきま
す。
首で最も警戒することは、氷等で首を
冷やすことです。
その瞬間は汗が引いて楽になったよ
うな気がしますが、首が硬直し、血行
が悪くなり身体がだるく重たい感じに
なり、頭の働きも悪くなります。
また迷走神経も緊張して、睡眠が浅く
なり、咳が出やすくなり、目の疲れも
抜けなくなります。
その状態が続くと秋になって体調を
崩し、内臓に負担がかかり、冬に脳
梗塞を起こしやすくなります。
一般的に言って身体を冷やすのはお
すすめできませんが、特に首は冷やし
てはいけない場所です。
唯一の例外は熱中症にかかった時、
脳のてっぺんの「ひよめき」と呼ばれる
ところをタオル等でつつんだ氷で冷や
します。
ひよめきは赤ちゃんの時にまだ頭蓋骨
が硬くなる前に鼓動を打っている場所
で、脳の中枢を冷やすことで脳を守り
回復をうながします。
水分はもちろん必要ですが、一気に
がぶ飲みした水はあまり吸収できませ
ん。
少しづつ摂るほうが水が身体に付く
感覚が実感でき、水分を保ちます。
冷たすぎるもの、冷たいものを大量に
摂るのも身体は水分を吸収できず、
かえって内臓を冷やして体調を落とす
原因になります。
またカフェインの入った飲み物は利尿
作用で水分が排出されてしまうため
補給には役にたちません。
熱い飲み物は身体の感覚をリセットし
て体調を整えるのにとても有効です。
アイスや冷たいものをたくさん飲んだ
後に熱いお茶を摂ると身体がほっとし
て緩む感覚があります。
ぜひお試し下さい。
汗はうまくかけば疲労を抜き、体調を
整えてくれます。
さらっとした汗を適度にかくような工夫
は夏の暑さと体調を整えることのバラン
スをとるために必要です。
エアコンもこの気候では必需品ですが
私としては29~30度程度の少し汗ば
む程度に使うことをおすすめします。
首そして肘が一番冷えやすいので、
風をあてないよう気をつけます。
タオルを首に巻き、こまめに汗を拭き
とると汗が順調に発散して汗の質が
よくなり、肌の感覚も蘇って体調がよく
なるのを実感できます。
また冷えは汗の内向と考えることがで
きます。
もう一度汗をかけば、冷えは解消しま
す。
また冷えたときに下痢をすると冷えが
解消しすっきりとすることがあります。
内向した汗を排出したと考えられます。
まだこれから8月、さらに9月と暑さと
つきあわなければなりません。
子供たちは夏に「めきめき」と成長し、
老人は「めっきり」衰えます。
夏は占命を峻別する季節です。
暑さの中に生命の力を実感するため
にはやはり工夫が必要です。

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