厳しい夏の暑さ、凍える冬の寒さ
春は嵐のように激しく過ぎ、秋も私たちを容赦なく痛めつけます
気持ちのよい日は、一年に何度あるのかと
指折り数えたくなるような荒々しい天候が続きます
生存をかけて、人類はその資格があるかを
試されているのかもしれません
野菜たちにもその試練はふりかかっています
強烈な日差しと灼熱の高温の後、雨が続いて実が割れて、
みかんがほとんど全滅の生産者もいました
夏の暑さと乾燥で種がまけず、
結局冬まで何も作れなかった畑もあります
しかし、こんな時こそ、土の質の差や、
野菜の生命力の違いが、あらわになります
冬の寒さと乾燥の中、身を縮めて耐えている野菜たち
大きくなることはできませんが
味は凝縮して奥深くなり、霜に当たってとろけるような甘さです
夏の厳しい暑さの中でも、必死に地中に張った根は
栄養と水を吸い上げながら、土の微生物と共生して団粒構造を作り、
通気性と水分の代謝を良くして、自ずから土の健康を保ちます
利益や能率を優先して、手間もかけられず
ただ薬に頼って育てられた野菜を全て悪いとはいえません
それは野菜だけでなく、多くの現代人にも与えられている情況です
しかし、生きるべき何かを追求し、
よりよいもの、より高みを求めるものだとしたら
それに応じた生き方や食べ物があると思うのです
必ずしも高価なものである必要はありません
けれど、丁寧に育てられ、本来の力を持った健全なものである必要があります
晴屋は、特別なものでなく
全うなものが、当たり前に手に入ることを目指しています
決して経済的には豊かではない自分たちが
納得して毎日使えるもの
日々の暮らしを彩り、自然の豊かさと生きることの楽しさを感じられるもの
そう、身体の内から美味しいと感じられるものだけを扱っていきたいのです
作り手の確かな技術とひたむきな心に支えられ
自然の豊かさをそのまま包み込んだような
力強さと微妙な味わいを持った食べ物たち
30周年をすぎた私たちは、今までに多くの生産者と出会いました
今、付き合っている人たちには、年月を経ても揺るがない信頼を感じます
そうした直接のつながりこそ私たち晴屋の最大の財産であり
多くの情報も、そのつながりから紡ぎだされます
これからも晴屋の野菜を味わって、みなさんの生きる糧として
その美味しさと一体になっていただきたいと願います
不必要な農薬は使いません
活きた土が育てた健康な野菜には、薬の助けが必要ありま
せん。私たちの扱っている野菜には、土壌殺菌・除草剤といっ
た危険度の高い農薬や、見かけだけのための殺虫剤のような
不必要な農薬を使っていません。けれど、品種改良によって
柔らかくおいしくなって弱くなった野菜で、使わないと収穫量
が極端に少なくなると予想される物については、定植直後・
果物なら開花直後2.3回の農薬の使用は認めています。
ごく初期であるため残留はほとんど無いと思われます。
尚、価格等は予定で変更があることがあります。
流通や生産者とのつながり
晴屋の野菜の多くは今はなきJAC(ジャパン・アグリカルチャ
・コミュニティ)の流れを汲む、メルカウーノとOFJ(オーガ
ニック・ファーム・ジャパン)そして、川越の地場野菜から
最良のものを選んでいます。
晴屋松橋が八百屋開業以前にJACのメンバーだったこともあり、両流通の
メンバーたちとは旧知の関係で、仕入先というより仲間という意識があります。
また生産者も直接知っている人も多く、到着する野菜から畑を思い浮かべます。
今年は天候のわりに頑張っているなとか、味がいつもと違うけれど体調でも
悪いかなとか、息子さんが頑張ってきて品質が変わったなとか、さまざまな
ものを感じながら野菜を手にとっています。