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晴屋の40年 美味しさを求めて
晴屋が始まった40年前、公害問題
が新聞等でとりあげられるようになり
ましたが、まだ多くの人たちには関
係のないことでした。
けれど問題はますます深刻になり、
もう間にあわないかもしれないけれ
ど、とにかく声をあげようとする若者
たちがいました。
政治的なものでなく、生活自体を見
直そうとするその動きは中央線沿線
を中心に広がりを見せはじめました。
そうした中で産声をあげた晴屋です
が、トラックの引き売りからスタートし、
東久留米に店を構えて次第に地に
足のついたものとなってきました。
目指したのは何よりも美味しさです。
私たちが美味しいと感じるのは、そ
こに自分に必要なものがあり、食べ
て一体になることが悦びだからです。
いくら美味しいものでも、食べすぎ
れば不味くなります。
もうこれ以上いらないからです。
健康にいいと言われているものでも
美味しくないものも多くあります。
それは不要で、健康にも有効では
ありません。
人間には個性があり、必要な物が
みな違います。
そうした個性や、内なる野性的な力
を生かして、自分らしく健康に生きる
ことができます。
季節の変化や必要な量を感じずに
安全なものを食べても何の意味もあ
りません。
また、美味しさはその人だけのもの
であり、他の人を差別しません。
安全で美味しい物、他人より良い
物を求めれば、必ずどこかに犠牲に
なる人がいて、上下や優劣が生まれ
ます。
けれど美味しさは誰にも平等です。
また美味しさを追求していれば、自
然に農薬や添加物がいらなくなりま
す。
けれど反対に安全性を求めて農薬
や添加物を使わないと、結果として
食べ物が美味しくなくなることが多く
あります。
安全性だけを求めることで、かえっ
て野菜本来の力が育たなかったり、
栄養が満ち足りないからです。
自然の流れや力に沿わず、人のエ
ゴを押し付けているからです。
晴屋では美味しさをまず第一に考
えています。